Hunter×Hunter パーム徹底解説！謎多き彼女の能力と魅力の全て

『ハンターハンター』のキメラアント編で登場するキャラクター、パーム＝シベリアをご存じでしょうか。彼女はhunterhunter パームの物語において、その特異な念能力と、キメラアント化という衝撃的な変化で読者に強い印象を与えました。ここでは、彼女の複雑な魅力と物語における重要性を深く掘り下げていきます。

この記事を読み終えることで、パームの多面的な魅力と、物語における彼女の役割を深く理解していただけるでしょう。

この記事を読むとわかること

パームの念能力の真の姿と系統について理解が深まります
キメラアント化によってパームの外見や能力がどう変化したかを知ることができます
ゴンやメルエムとの関係性が彼女の物語にどう影響したかを知ることができます
作中でのパームの登場シーンや死亡説の真相が明らかになります

パームの念能力と衝撃的なキメラアント化の全貌

パームの念能力「千里眼」と本来の系統
キメラアント化による外見と能力の劇的変化
新たに発現した能力「暗黒の鬼婦神（ブラックウィドウ）」の力
監視能力「淋しい深海魚（ウィンクブルー）」の詳細
強化系でありながら操作系的な能力を持つ理由

パームの念能力「千里眼」と本来の系統

パーム＝シベリアの念能力は、彼女の個性的なキャラクターと深く結びついています。元々の念系統は強化系とされていますが、彼女が初期に披露したのは「人魚のミイラの水晶玉」を用いた千里眼能力でした。

この千里眼能力は、水晶玉に自身の血液を捧げることで、視たい対象の現在地や状況を詳細に把握できるというものです。師であるノヴからは、その能力の特異性と危険性から、むやみな使用を厳しく禁じられていました。ただ、この能力はパーム自身の念能力というよりは、代々受け継がれてきた呪物的なアイテムの力と、それを起動するパームの特異な資質（血）が組み合わさったものだと考えられています。

ポイント：パームの初期能力は呪物を利用したもので、純粋な念能力とは異なります。

キメラアント化による外見と能力の劇的変化

キメラアントの王直属護衛軍に捕らえられたパームは、ネフェルピトーとシャウアプフの手によって、恐ろしいキメラアントの兵士へと改造（蟻化）されてしまいます。このプロセスは、彼女の姿形だけでなく、精神や記憶にも甚大な影響を与えました。

改造後、パームの姿は以前とは似ても似つかない異形の戦士となります。最も顕著な外見の変化は頭部で、額には大きな水晶体のようなものが埋め込まれ、これが新たな監視能力「淋しい深海魚（ウィンクブルー）」の媒体となるのです。髪の毛は黒く硬質化し、全身を覆うほどの長さと量に変化しました。これが後に攻防一体の能力「暗黒の鬼婦神（ブラックウィドウ）」の元となります。手足の先端は鋭く尖り、魚の鱗のようなもので覆われるなど、人間離れした印象を強く与える姿へと変貌しました。

注意点：キメラアント化は肉体だけでなく、記憶や感情にも影響を及ぼし、パームは一度自我を失いました。

新たに発現した能力「暗黒の鬼婦神（ブラックウィドウ）」の力

キメラアントに改造されたパームは、新たに強力な念能力である「暗黒の鬼婦神（ブラックウィドウ）」を発現させました。この能力は、自身の毛髪を硬質化させ、全身を覆う黒い鎧のような姿に武装するというものです。

この状態のパームは、防御力が飛躍的に向上するだけでなく、強化された身体能力による直接打撃の威力も増大します。特に、感情の昂ぶりに応じてその強靭さが増す描写があり、覚醒後のキルアをも圧倒するほどの戦闘能力を発揮しています。これは、パーム能力の新たな境地を示していると言えるでしょう。

「見た目だけでなく、攻撃力と防御力も格段にアップするなんて、まさに究極の変身ですよね！」

監視能力「淋しい深海魚（ウィンクブルー）」の詳細

パームがキメラアント化によって得たもう一つの能力が、「淋しい深海魚（ウィンクブルー）」です。この能力は、蟻化後のパームの額に埋め込まれた水晶体のようなものを介して発動します。

右目で直接見た対象を最大3人まで記憶し、左目だけでその対象を見ることで、彼らの現在の動向をリアルタイムで監視できるというものです。ただし、映像のみで音声は聞こえず、鳥瞰図のような視点になるという特徴があります。監視対象の数に制限が設けられるなど、能力の特性にも変化が見られます。

このような能力は、キメラアントの兵士として敵を追跡・監視するのに非常に有効な能力へと変化しました。前述の通り、水晶玉という外部装置を必要としなくなった反面、監視対象の数に制限が設けられるという点で、以前の千里眼とは異なる進化を遂げています。

強化系でありながら操作系的な能力を持つ理由

パームの本来の念系統は強化系です。強化系能力者は、自身の肉体やオーラを強化することで、攻撃力や防御力を高めることを得意としています。しかし、彼女がキメラアント化後に得た念能力「淋しい深海魚（ウィンクブルー）」や「暗黒の鬼婦神（ブラックウィドウ）」は、単純な強化系だけでなく、操作系や放出系の要素も持ち合わせているように見えます。

特に「淋しい深海魚（ウィンクブルー）」は、監視や視覚的な追跡という点で操作系に近い特性を持っています。強化系が具現化系の能力を使う場合、特質系は真逆の位置関係にある系統であるため、強化系の能力者が特質系能力を扱えるのかどうかは微妙なところです。ただ、キメラアント化によって、異なる系統の念能力を組み合わせた、より複雑で強力な能力が発現したと考えられます。

豆知識：念能力の系統は変化しますが、キメラアント化によってより複雑な能力が発現することがあります。

パームの人間関係とキメラアント編での重要な役割

ゴンへの特別な想いとその変化
ノヴとビスケとの師弟・協力関係
キメラアント化がパームにもたらした影響と葛藤
メルエムとコムギの最期を見届けたパームの感情
パームの登場回と「死亡説」の真相

ゴンへの特別な想いとその変化

パームはゴンに対して非常に強い好意を抱いていました。物語の初期、彼女はゴンがキメラアント討伐作戦に参加するための条件として、ゴンとのデートを要求しました。パームはゴンと接するうちに彼に惹かれ、デートでは普段の不気味な外見とは一変し、非常に美しい姿で登場しています。

キメラアント編の終盤では、パームはゴンへの恋愛感情を整理し、結果的に彼を恋愛対象から外しました。しかし、キメラアント編終結後の会長選挙編において、パームは瀕死のゴンを救うために奔走するキルアたちに対し、積極的に協力しました。ゴンがアルカの能力によって奇跡的に回復した後、パームとゴンがどのような会話を交わしたのか、具体的な描写は多くありません。

それでも、パームがゴンのために行動したという事実は、彼女の中にゴンへの特別な想いが依然として存在していたことを示唆しています。また、キルアはキメラアント化したパームを人間としての意識を取り戻させるため、ゴンへの思いを涙ながらに伝え、それが彼女の心に響きました。

ノヴとビスケとの師弟・協力関係

パームは念能力者であるノヴの弟子です。ノヴはキメラアント討伐隊の一員であり、パームは討伐隊の人選時にNGLへ入国するため、ゴンたちに接近しました。当初、パームは師であるノヴに対して非常に強い執着心を持っていました。

一方、ビスケはグリードアイランドのプレイヤー選考会でゴンとキルアと出会い、彼らに念の修行を指導した人物です。ビスケはパームに話を聞くまで、キメラアント騒動のことを知らなかったとされています。パームはゴンとキルアを勝たせるため、自身の能力を使いビスケを呼び寄せ、再び修行が始まりました。ビスケは戦闘を好むタイプではなく、本質は回復や美容系の念能力者であり、本職は宝石ハンターです。

キメラアント化がパームにもたらした影響と葛藤

パームがキメラアントに改造される「蟻化」のプロセスは、人間の姿形だけでなく、精神や記憶にも大きな影響を及ぼしました。ピトーの念能力「玩具修理者（ドクターブライス）」によって施された改造は、パームをより戦闘に特化した存在へと変えることを目的としていたのです。

改造の際、ピトーはパームの記憶と感情を結びつける回路を意図的に破壊したとされています。これにより、パームは人間としての感情や過去の記憶との繋がりが希薄になり、キメラアントの兵士としての本能や命令に忠実な存在へと変えられてしまいました。しかし、完全に記憶が消去されたわけではなく、断片的な記憶や特定の人物に対する強い感情（例えば、ゴンに対する執着心）は残存していました。キメラアント化後、パームは一度自我を失い、敵としてキルアと交戦しましたが、キルアの涙ながらの説得によって人間としての意識を取り戻し、その後は討伐隊に協力するという重要な役割を担いました。

メルエムとコムギの最期を見届けたパームの感情

パームは、貧者の薔薇の毒によって衰弱していくメルエムと、彼に寄り添い続けるコムギの最期の瞬間を、自身の能力「淋しい深海魚（ウィンクブルー）」を通して一人静かに見届けました。

メルエムは、コムギとの軍儀を通じて自身の行動原理や感情に変化が生じ、人間らしさを獲得していったキャラクターです。パームがメルエムとコムギの愛の姿を見届けたことは、彼女自身の心にも大きな変化をもたらし、真の愛や人間らしさを学ぶきっかけとなったと考えられます。興味深いことに、パームは毒に侵されたメルエムとわずかな時間会話していましたが、彼女自身は毒に感染していません。作中でメルエムとコムギの最期を知るのは、hunterhunter パームの物語において彼女ただ一人です。彼らの最期を見届けたことで、パームの心境にも変化があったと考察されています。

参照:Hunter x Hunter Wiki

パームの登場回と「死亡説」の真相

パーム＝シベリアは、人気漫画『ハンターハンター』のキメラアント編にて初めて登場しました。彼女はキメラアント討伐作戦において、東ゴルトー共和国の宮殿内に潜入し、王と護衛軍の姿を直接視認することで、自身の千里眼能力の発動条件を満たすという重要な任務を帯びていました。

潜入以来完全に消息を絶っていたパームは、その後ネフェルピトーに発見され、機密保持のために自殺を図るも失敗し、キメラアントの兵隊として改造されます。この衝撃的な展開から、一部の読者の間で「パーム死亡説」が囁かれましたが、実際には異なります。パームはキメラアント編の騒乱が終結した後も生存しており、他の生存者たちと共に宮殿を後にしています。さらに、その後の会長選挙編においても、パームは重要な役割を担って再登場しています。これらのことから、彼女が死亡していないことは明らかです。

キメラアント編での彼女の経験は肉体的にも精神的にも計り知れないほど過酷なものでしたが、それを乗り越えて生き延びたパームは、人間としての強さを示すキャラクターの一人と言えるでしょう。キメラアント化後のパームとキルアの戦いは、コミックス28巻に収録されています。

参照:少年ジャンプ＋